宇宙世紀事始め Ⅱ その5
「ダーク・コロニーのモビルワーカー開発」
「ダーク・コロニーのモビルワーカー開発」
U.C.0071、「ジオン自治共和国」と名を変えたサイド3は、ザビ家が実権を握り、地球連邦に対する独立戦争の開戦準備を水面下で始めていた。
そのひとつが、極秘で進められた次世代型新兵器の開発である。
新兵器の開発施設は、エキストラ・バンチ、通称「ダーク・コロニー」に置かれた。
ジオン自治共和国国防軍のドズル・ザビ大佐が主導した計画は、表向きには、月面の資源開発用の人型作業機械の製作であるとカモフラージュにすることで、連邦軍の監視を欺こうとする。
試作機の名は「モビルワーカー」。
開発番号は「MW-01」。
最初期の機体が「モビルワーカー MW-01 01式 初期型」である。
人型作業機械からスタートしたモビルワーカーの開発では、まず地球連邦軍のメインバトルタンク(MBT)であるガンタンク初期型に対抗する被弾&格闘実験が計画された。
各コロニー群に駐屯している連邦軍の装備の中でも、大口径砲と重装甲を誇るガンタンク初期型の脅威はすさまじく、これに対抗する手段が手始めに模索されたのだ。
ガンタンク初期型の主砲2門の砲撃を防ぐシールドが開発され、モビルワーカーの機体開発では俊敏な機体制御を可能とする構造や、相手の機体を機動不能に追い込む打撃が可能な格闘性能なども探られた。
その実験の一番手として「モビルワーカー MW-01 01式 初期型」に搭乗したのが、のちに「黒い三連星」の異名を冠することになるオルテガ准尉であった。
オルテガ准尉は、MBTとの格闘実験で、ドズル大佐の期待に応える結果を残した。
この成功をもって、モビルワーカー開発は次の段階へと進む。
ドズル大佐の指揮の下、ダーク・コロニーは、独立戦争へ向けた秘密兵器開発の拠点として、多大な資金の投入を受けて拡充され、のちにモビルスーツへと変遷する機動兵器と平行して、アルカナクラスと呼ばれる民間宇宙貨客船を装った軍艦(ムサイ級)の開発も行われていくのだった。
01式 初期型の後継機である「モビルワーカー MW-01 01式 後期型」は、コックピット周りの補強を行い、前腕部の武装用アタッチメントの開発により打撃力の向上が図られた機体である。
テストパイロットは、ランバ・ラル大尉とマッシュ少尉が務めた。
のちに連邦軍の新鋭機ガンダムと対戦するランバ・ラル大尉は、01式 後期型の格闘実験で青く塗装された機体に搭乗する。
青い機体を駆るため「青い巨星」の異名で呼ばれた後年の実力が、モビルワーカー開発の当初からも見受けられ、実験であるにもかかわらず負傷も厭わない戦闘を行うことで貴重なデータを提供したという。
のちに中尉となり、ガイア、オルテガと共に「黒い三連星」の二つ名を持つことになるマッシュ少尉も、U.C.0079、モビルスーツの初陣たるルウム戦役で武功をあげる猛者だが、01式 後期型の格闘実験でも、ランバ・ラル 大尉と同様に負傷どころか生命の危険さえ顧みない実戦さながらの近接格闘を行い、後年の活躍を彷彿とさせるのだった。
だが、01式では、巨大すぎる動力用融合炉を機体内に格納できず、兵器としては致命的な弱点を克服できずにいた。
この動力炉の問題が、モビルワーカー開発のネックとなっていく。
その活路を開くのが、ミノフスキー粒子である。
新機軸の動力炉の開発には、ミノフスキー粒子と、それを発見したミノフスキー博士の協力が転機となる。だが、その時代の到来は、まだ少し先であった。
なお、圧倒的な兵力を有する地球連邦軍に対し、寡兵で対抗するための秘策のひとつとして、人間が搭乗してコントロールし、重力下や宇宙空間での戦闘に対応する機動兵器の運用が構想されたのだが、そこにさらにミノフスキー粒子が引き起こすレーダー波、通信波、誘導電波を阻害する戦況下を想定した戦術が加えられたことで、連邦軍は緒戦で圧倒的な敗北を喫したと言われている。
ミノフスキー粒子散布下では、光波による有視界での索敵や攻撃しか行えない。
光波以外の電磁波を使用するレーダーの使用は制限され、誘導ミサイルが使用不能となった艦艇に対しては、接近して打撃を与える機動兵器の方が有利となる。
その状況を想定したことで、モビルワーカーを出発点としたモビルスーツを運用した戦術は、高度に電子化された艦艇によるミサイルやビーム砲の優位を疑わない連邦軍の多大な兵力に対する、乾坤一擲となった。
機動兵器による打撃の凄まじさは、シャア・アズナブル中尉がルウム戦役で得た戦果、連邦軍艦艇5隻の撃沈によって証明されていくのである。
そのひとつが、極秘で進められた次世代型新兵器の開発である。
新兵器の開発施設は、エキストラ・バンチ、通称「ダーク・コロニー」に置かれた。
ジオン自治共和国国防軍のドズル・ザビ大佐が主導した計画は、表向きには、月面の資源開発用の人型作業機械の製作であるとカモフラージュにすることで、連邦軍の監視を欺こうとする。
試作機の名は「モビルワーカー」。
開発番号は「MW-01」。
最初期の機体が「モビルワーカー MW-01 01式 初期型」である。
人型作業機械からスタートしたモビルワーカーの開発では、まず地球連邦軍のメインバトルタンク(MBT)であるガンタンク初期型に対抗する被弾&格闘実験が計画された。
各コロニー群に駐屯している連邦軍の装備の中でも、大口径砲と重装甲を誇るガンタンク初期型の脅威はすさまじく、これに対抗する手段が手始めに模索されたのだ。
ガンタンク初期型の主砲2門の砲撃を防ぐシールドが開発され、モビルワーカーの機体開発では俊敏な機体制御を可能とする構造や、相手の機体を機動不能に追い込む打撃が可能な格闘性能なども探られた。
その実験の一番手として「モビルワーカー MW-01 01式 初期型」に搭乗したのが、のちに「黒い三連星」の異名を冠することになるオルテガ准尉であった。
オルテガ准尉は、MBTとの格闘実験で、ドズル大佐の期待に応える結果を残した。
この成功をもって、モビルワーカー開発は次の段階へと進む。
ドズル大佐の指揮の下、ダーク・コロニーは、独立戦争へ向けた秘密兵器開発の拠点として、多大な資金の投入を受けて拡充され、のちにモビルスーツへと変遷する機動兵器と平行して、アルカナクラスと呼ばれる民間宇宙貨客船を装った軍艦(ムサイ級)の開発も行われていくのだった。
01式 初期型の後継機である「モビルワーカー MW-01 01式 後期型」は、コックピット周りの補強を行い、前腕部の武装用アタッチメントの開発により打撃力の向上が図られた機体である。
テストパイロットは、ランバ・ラル大尉とマッシュ少尉が務めた。
のちに連邦軍の新鋭機ガンダムと対戦するランバ・ラル大尉は、01式 後期型の格闘実験で青く塗装された機体に搭乗する。
青い機体を駆るため「青い巨星」の異名で呼ばれた後年の実力が、モビルワーカー開発の当初からも見受けられ、実験であるにもかかわらず負傷も厭わない戦闘を行うことで貴重なデータを提供したという。
のちに中尉となり、ガイア、オルテガと共に「黒い三連星」の二つ名を持つことになるマッシュ少尉も、U.C.0079、モビルスーツの初陣たるルウム戦役で武功をあげる猛者だが、01式 後期型の格闘実験でも、ランバ・ラル 大尉と同様に負傷どころか生命の危険さえ顧みない実戦さながらの近接格闘を行い、後年の活躍を彷彿とさせるのだった。
だが、01式では、巨大すぎる動力用融合炉を機体内に格納できず、兵器としては致命的な弱点を克服できずにいた。
この動力炉の問題が、モビルワーカー開発のネックとなっていく。
その活路を開くのが、ミノフスキー粒子である。
新機軸の動力炉の開発には、ミノフスキー粒子と、それを発見したミノフスキー博士の協力が転機となる。だが、その時代の到来は、まだ少し先であった。
なお、圧倒的な兵力を有する地球連邦軍に対し、寡兵で対抗するための秘策のひとつとして、人間が搭乗してコントロールし、重力下や宇宙空間での戦闘に対応する機動兵器の運用が構想されたのだが、そこにさらにミノフスキー粒子が引き起こすレーダー波、通信波、誘導電波を阻害する戦況下を想定した戦術が加えられたことで、連邦軍は緒戦で圧倒的な敗北を喫したと言われている。
ミノフスキー粒子散布下では、光波による有視界での索敵や攻撃しか行えない。
光波以外の電磁波を使用するレーダーの使用は制限され、誘導ミサイルが使用不能となった艦艇に対しては、接近して打撃を与える機動兵器の方が有利となる。
その状況を想定したことで、モビルワーカーを出発点としたモビルスーツを運用した戦術は、高度に電子化された艦艇によるミサイルやビーム砲の優位を疑わない連邦軍の多大な兵力に対する、乾坤一擲となった。
機動兵器による打撃の凄まじさは、シャア・アズナブル中尉がルウム戦役で得た戦果、連邦軍艦艇5隻の撃沈によって証明されていくのである。