「機動戦士ガンダム THE ORIGIN Mobile Suit Discovery」について

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の世界観の中で展開される、MS開発秘話を描きつつもこれまで明かされなかったMSを中心としたメカニカルの考証企画として進行している「機動戦士ガンダム THE ORIGIN Mobile Suit Discovery」についての特集ページオープンにあたり、バンダイホビー事業部の岸山博文さんと福田瑞樹さんに今後の展開やこだわりを伺いました。



「機動戦士ガンダム THE ORIGIN Mobile Suit Discovery」(以下、「MSD」)の成り立ち
岸山:「MSD」と言いつつその実プラモデル好きの人からすれば、これって昔あった「MOBILE SUIT VARIATION」(以下、「MSV」)と同じでしょう。という見え方だと思うのですが、ある種それであっています。ガンダムでありプラモデルということでは、30数年前「ガンダム」のプラモデルがすごく売れた時代がありました。当時はどのモビルスーツを出しても売れてしまう。いよいよ商品化するものがなくなった時に救世主のように現れたのが、「MSV」の「MS-06R 高機動型ザク」です。
 今回『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(以下、『THE ORIGIN』)第1話のアバンで連邦の艦船を打ちのめすジオンの新型モビルスーツということで、黒い三連星が乗っているのがまさに「MS-06R」。古参のファンにとっては、「あ、あのプラモデルで燃えた「MS-06R」が映像で動いているぞ、チクショウ!」という感動があったろうなと思います。30数年前モビルスーツの設定感や深みを実は担っていただろう「MSV」と「ガンダムってこうだったんだぜ!」と、原点を思い出そうと安彦良和さんの漫画原作を元に新たに映像化している『THE ORIGIN』とは符号が同じと感じました。シャア・セイラ編ではそもそもザクが最新兵器なので、連邦側にはろくに対抗できる兵器もなく、グフもズコックもさしあたり登場しない時代を描いています。元々良く知っていてお好きな方には十二分に満足できるのでしょうが、そうでない方のために、ちょっとディープではあるけどプラモデルで援護射撃できないかと、昔の「MSV」のように今回は「MSD」として展開し深みを出していこうとはじめました。

映像で表現されているのは、一年戦争の前の時代。でもアニメの技術含め時間は進んでいるなかでの「MSD」こだわりや「MSV」との違い。
福田:手描きのアニメからCGを活用したモビルスーツ表現にかわって、手描きでは描ききれないディテールまで映像化できる。映像化できるのであればその繊細さを持ったデザインも必要ということでカトキハジメさんにデザインをしていただきました。
岸山:アバンでもただディテール線が多いザクが出てくるのではなく、ボディーアクションの時に、装甲がずれたりなどの細かな演技、メカニカルな動きをする。
福田:ディテールと機能が相まって映像ができている。そのためにカトキさんのセンスが遺憾なく発揮されていると思います。
岸山:それをやはりプラモデルにすると、商品化の主軸は1/144HGのシリーズになります。同じ1/144でHGUCというシリーズがありますが、サイズこそ同じでも、映像がなんステージか進化しているので、プラモデルも今回はHGUCよりも進化しています。
福田:ザク系の機体などは半分くらい関節だけで自立出来てしまうフレーム的な構造を取り入れています。
岸山:1/144でフレーム構造が作りたいのが目的で、こういう稼働機能をさせるために仕掛けとしての軸構造。マスターグレードよりも部品は少ないけれども動かして面白みがあるよね。というところではかなり肉薄できています。

「MSD」シリーズのポイント
福田:昨年の第54回静岡ホビーショーで「MSD」が発表され企画展示を行いましたが、1年たった今年の第55回静岡ホビーショーで立体開発系譜図がようやく埋まってきたかなと思います。モビルワーカー MW-01 01式 後期型がでて、4月にヴァッフが発売されて立体物でモビルスーツ開発系譜図をなぞらえて行くことができる。「MSD」によってさらに立体物で設定感を高めていくことは『THE ORIGIN』プラモデルの特徴です。
 造形面な話では先程の話にもあったようなフレーム構造というのを使っていますので、外装だけ付け替えて遊ぶことができるのですが、シャアザクとザクⅠでは丸い腕の形状のディテールが違っていたりしているのですが、高機動試作型ザクの頭部のモノアイレールのところにちょっとしたディテールが入っていたりとか、ちょっとずつバージョンアップというかマイナーチェンジを同じ形の中でもしています。そういうひとつひとつのパーツを差し替えることでその機体をより深めていくことができるのも特徴で、ワンランク上の遊びが楽しめると思います。
岸山:昔の模型では手はこっちが良い、足はこっちので作ると結構いいプロポーションになるのに、ミックスする仕掛けが共通ではないので、関節の仕掛けを自分で作らなくてはいけなかったのですが、今回押さえるところは押さえてあるので、チョイスミックスがボルトオンで出来ます。
福田:自分も「MSD」の機体が昔より簡単に作れるようになりました。
岸山:現存兵機、第二次世界大戦の戦車も何号戦車と言いつつも全部同じ形で出来ているかというとそうでもなく、十台作って何号から何号まではその部分面取りがされているけど、それ以外はそうではない。その部品の供給メーカーがA社だったのがB社のものを使うようになったので、全体の形は同じ区分で考えられているけど十台というのが微妙に違っているよね。というのが実際にありました。それと同じで、「似ているけど、ちゃうねん」
福田:現行の車と同じですよね。足まわりは全部同じでも上に乗っているボディーは違う、エンジンは違うみたいなことが簡単にできる。
岸山:僕はそういうのがすごく大好きです。
岸山:やっぱりガンダムは凄くリアルだと信じたい。でもそれを信じるには一年戦争でガンダムが9月に出てきて年末には終戦する。テレビで見ていてジオン軍ってすげー短期間に新型兵器をバンバン出すんだよね。そんなことできるのかな。あんなにどんどん新型ができるかなぁというのが、今回の『THE ORIGIN』ではMS-06Rはいてもよくなって、ジオンは一年戦争前、始めるまでに相当な研究をしていて試験機体とかを持っていて、短期間に出そうと思えば倉庫に色々あるに違いないということになっていたのではなかろうかと。そこを「MSD」とドッキングさせられるとガンダムってやっぱリアルだなと、やっぱそうだよねと思えるのではないでしょうか。
 「MSD」は開発している側も楽しいし、受け止められるユーザーさんにとっても気持ち良かったり、フムフムと思える。やっぱり「ガンダムって良いな」と思います。
岸山:ザクもドムも好きに組み替えられる。模型は材料として、そこからどうやって遊ぶかが一番楽しいです。『THE ORIGIN』のプラモデルは、その遊びのより深い遊びに良い材料になると思います。

ガンプラは買ったらただ積んどくだけでなくもっと楽しんでほしい
岸山:買ったらランナーを舐め回してみて、この腕の部品、肩の部品をこんな風に作っている、今までのものとの違う違いを見聞することも楽しみ、組み立て説明書も見ていただいて、こんな風に作るんだな「結構動きそうじゃん」とか「ニヤニヤッ」と見てもらえたら嬉しい。レビューでこのプラモデルいいらしいよというのを見て買うのだと思うのですが、まず中を見て欲しい! そうしたら自ずと作りたくなっちゃう。テンション上って作っちゃう!!
福田:プラモデルを買うときには、箱を見て、「こんな風に塗ってやりたいな」「こんな風に改造してやりたいな」と、ついつい買ってしまって持って帰って積んじゃうんですが、今の話で、「ああ、そういう遊び方があるんだ」と感じていただければ、妄想がさらに膨らんで作りたくなっちゃうのではないかと思います。
岸山:しっかり綺麗に作りたいという方が多いと思うのですが、まとまった時間が取れたらやろうと思うけど、そういう時間が取れないから積んだまま。今日び色をぬらなくてもそれなりの雰囲気を醸し出せる。30年前のガンプラとは全く別物。素組、組み立てただけで合わせ目を消すわけでもない、色塗るわけでもない、状態でも、そこそこに見栄えがする。
 簡単に作れるからまず作っちゃえ。出来上がったものにツヤ消しの缶スプレーをかけてツヤを消したり、作ったものに対して少し手をかけて、よりグレードアップさせる。昔ほど段取り踏んで作らなくても良いことを理解できちゃうと、まず作って動かして楽しんじゃえ。時間出来たら汚し塗装してみようとか、それだけでまたリアルになる。昔のスタンスとは違う取り扱いの仕方があるということを知ってもらいたい。
福田:『THE ORIGIN』のシリーズは細かいディテールも入っていて、スミ入れするだけでもだいぶ違いますし、さらにコーションマークも水転写ではなくテトロンシールなので貼るだけで出来てしまう手間いらずな上に、高精度に仕上がります。

福田:7月に局地型ガンダムが発売になりました。初めての連邦系の機体が「MSD」にでてきて、ジオンの方はようやく系統図がプラモデルで埋まってきていますが、連邦系の方もプラモデルで系統図の完成もプラモデルで目指していきたいと思っていますので、今後の展開にご期待ください。
岸山:局地型のあのデザインが「あーアレと似ている」とか「コレに似ている」とかニヤニヤと気づいてもらうと。ガンダムっていろんな作品があり、『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』アイナ・サハリン のザクっていうのがありますが、それもこう近しいところにいて、ああ、色々なガンダム作品を知ってよかったみたいな、そういうつながり方も「MSD」でいけたらいいなと思っています。
 銃の所でもすでにそういうことをやり始めていて、連邦側でもまさにそういうのが装備されていくというところで注目していただけると。「やっぱ連邦はスゲーんだなっ」そうすると最後連邦軍には勝てないんだと思える。
 今の開発だけを見ていると連邦開発数はほとんどないですね。明らかにジオンに負けている。ドイツ対連合軍みたいに数を圧倒的に回しているというのが連邦軍なので、恐るべしというのがこれから見えてきます。
福田:それと「MSD」は形式番号とかも気にして見ていただけると楽しいかなと。
岸山:「Y」が付いているとか。
福田:『THE ORIGIN』のメカ打ちの最後に喧々諤々とやらせていただいています。一緒にこれだったらこれだと楽しいのではないかというのを妄想…じゃなく打ち合わせで決めていっています。
 局地型ガンダムのさいごの[N]はなんぞやってところでちょっと頭を捻らせてみると「ああ、そういうことね」ってつながったら面白いという設定的な面白さを仕込んでいます。







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